碧野圭著「菜の花食堂のささやかな事件簿」を読みました。
月に二回開かれる、菜の花食堂での料理教室。オーナーで先生でもある靖子は、凝ったメニューではなく誰にもできるような簡単な食事を、基本に忠実に丁寧に作ることを大切に教室を開いていた。
そこに月謝を支払う代わりに助手としてサポートすることになった優希。そこに集まる人たちは、主婦からママ友、定年後の男性や花嫁修業中の独身女性など様々で、靖子はその中心にいて皆に目を配る優しい笑顔を振りまいている。
ただその洞察力は鋭く、皆の小さな悩みや不安や問題を次々と解決に導き、料理と同じく確固たる信頼を得ていくのだった。
料理教室に集まる面々の些細な変化を見逃さず、小さなことから事の真相に迫っていく靖子。
靖子を慕い、自身も靖子に救われた過去のある優希。この2人がそれぞれの思いで、問題に迫っていき、そこには血なまぐさいミステリーとは無縁なのだけれど、実は身近な事件ってこういう事なのだなと思います。
少しのすれ違い、考え方の違い、思い違いなど、人に相談し自分の気持ちを吐露する事で解決することは、もしかしてたくさんあるのかもしれない。
人との関わりの中でゴールを探っていく人たちを見て、改めて現代にもこういうコミュニティって結構あるのではないか、と考えさせられました。
本当に「ささやかな事件簿」ですが、最後には皆を見守ってきた靖子の問題点にも触れるなど、一冊の本で実によくできた展開をする本作。今後の展開にも期待の持てるラストでした。
月に二回開かれる、菜の花食堂での料理教室。オーナーで先生でもある靖子は、凝ったメニューではなく誰にもできるような簡単な食事を、基本に忠実に丁寧に作ることを大切に教室を開いていた。
そこに月謝を支払う代わりに助手としてサポートすることになった優希。そこに集まる人たちは、主婦からママ友、定年後の男性や花嫁修業中の独身女性など様々で、靖子はその中心にいて皆に目を配る優しい笑顔を振りまいている。
ただその洞察力は鋭く、皆の小さな悩みや不安や問題を次々と解決に導き、料理と同じく確固たる信頼を得ていくのだった。
料理教室に集まる面々の些細な変化を見逃さず、小さなことから事の真相に迫っていく靖子。
靖子を慕い、自身も靖子に救われた過去のある優希。この2人がそれぞれの思いで、問題に迫っていき、そこには血なまぐさいミステリーとは無縁なのだけれど、実は身近な事件ってこういう事なのだなと思います。
少しのすれ違い、考え方の違い、思い違いなど、人に相談し自分の気持ちを吐露する事で解決することは、もしかしてたくさんあるのかもしれない。
人との関わりの中でゴールを探っていく人たちを見て、改めて現代にもこういうコミュニティって結構あるのではないか、と考えさせられました。
本当に「ささやかな事件簿」ですが、最後には皆を見守ってきた靖子の問題点にも触れるなど、一冊の本で実によくできた展開をする本作。今後の展開にも期待の持てるラストでした。
碧野圭
大和書房
2016-05-20
著者の書店ガール、シリーズ化しているんですね。