書評というほどでもないけれど、AAAのデビュー11周年を記念して出されたオフィシャルブック「あのとき、僕らの歌声は。」を読んだので記しておきます。


 

エイベックス所属の男女混合メンバーとして、レコード大賞の最優秀新人賞を獲得した彼ら。 それからの11年の葛藤を、メンバーそれぞれの視点から時系列で追っていく本作。
それぞれの賞には、AAAの楽曲タイトルが付けられており、「メンバーのインタビューを元にして作られたフィクション」ということですので、全てが本当ということではないのかもしれないけれど、エピソードを追っていく限り、AAAの成り立ちやそれぞれの気持ちなどが伝わってくる作品でした。

エイベックスのオーディションを勝ち抜いた人達だけが残り、レッスンをする日々。
その中で、「デビューできるのはたった一人」だという意識のもとに、みんなライバルだと思ってやってきた人達とある日突然「男女混合ユニットとしてデビューする」と告げられた時の戸惑い。
デビュー目指して活動するも、なかなか具体的に物事が進まない。そんな不安の中でようやくデビューし、たった三ヶ月でレコ大の最優秀新人賞を獲得。夢のようなスタートを切ったもののヒットに恵まれず、ただ忙しい毎日の中でいかに自分らしく輝けるかを模索していくそれぞれのメンバーたち。

このレコ大新人賞の時の記憶がおぼろげにあるのですが、それから本格的に楽曲を聴くようになるまで数年。私が好きだと公言する頃には名古屋でも2日間の公演をするほどになっていたので、苦悩の日々の実感はあまりなかったのですが、メンバーの意識が固まって今のような雰囲気になるまでに相当葛藤があったのだろうなと推測しました。

AKBやEXILEのように「メンバーになりたくて」応募したわけでもない。バンドのように声を掛け合って一緒に始めたわけでもない。生まれた場所も違えば、それぞれがソロデビューを夢見て応募してきた人ばかり。たまたま最終審査まで残って、一緒にレッスンをしたライバル同士。そのメンバーが走ってきた11年のほんの一部分を垣間見た一冊でした。

それにしても15周年の小説出す時には、いやNissyの小説出す時にはぜひ声かけて欲しい〜(笑)