有川浩さんのエッセイ「倒れる時は前のめり」を読みました。
お貸しくださいました大将!ありがとうございます。

有川浩さんは「図書館戦争シリーズ」や「県庁おもてなし課」「レインツリーの国」「植物図鑑」など著書がいくつも映画化されている有名作家。ただ、あまり人となりを存じ上げなかったので、果たしてどんな内容かなと思っていました。

様々なところで発表されたエッセイをまとめているので、デビュー直後のものから最近まで彼女が歩んできた道を振り返られるような構成になっています。
様々なところで発表しているせいか、内容でかぶるようなところもありますが、それほどそのことに対する強い思いがあるのだなぁと思いました。

特に強調されていたのが、震災を経験した側の気持ち(阪神淡路大震災を経験されたことから)、書籍を売る・買うことについての思い、自身への評価に対する思い、これらが何度か繰り返し出てきました。

そこで一番驚いたのが、有川浩さんへの評価に大変厳しいお声があるということ。
私自身は、彼女はいきなりヒット連発で現代の小説家を代表するお一人というイメージで、確かに重鎮と呼ばれる人と比べるとまだまだお若い作家という感じではありますが、書かれている話についてそこまで厳しい評価をされているとはつゆ知らずでした。ライトノベルご出身ということで、文学と言うよりはエンターテイメント性が強いゆえの批判だとの分析でありますが、だからこそこれだけ映像化を期待されるわけですし、実際にヒットしている理由であるように思えるのですが、ご本人もその辺りを気にされている表現がちらほら出てきました。

ヒットしているがゆえの苦悩であるのでしょうが、文学というジャンルには読み手にも書き手にも独特の色が根強く残っているのかなという印象です。いろんな意味で幅広く門戸を開くことが業界全体の活性化につながると思うのですが、そう思わない人もいるようで・・・今後どうなっていくかには関心があります。
そして本というものに対する熱く、強い思いがそこここに感じられ、書き手側から発信するには少々わがままな内容ではないかと危惧してしまう向きもありましたが、そこにあるのは読み手でもある一ファンからの視点が盛りこまれていて、妙に納得しました。
私も、必ず新作はハードカバーで買うと決めている作家さんがいますが、今は手軽に安価にが喜ばれる世の中ですのでなかなか難しいということなのです。ただ、エンターテイメントの中では長く楽しめ、独特の世界に浸れる読書・・・もっと読み手が増えるような工夫があれば関心のない人にも届くのかなぁと考えます。

思った以上にバリエーションに富んだ内容で、一気に読んでしまいました。有川浩さんの思いがたくさん詰まった一冊です。

・・・そして一言言いたい。「図書館戦争」の実写化は本当に本当に素晴らしいと思う!!!(実写化には結構批判があるそうなので)

倒れるときは前のめり
有川 浩
KADOKAWA/角川書店
2016-01-27