西炯子さんの漫画「姉の結婚」を読みました。読書仲間のKさん、ありがとう!!!

とにかくもう一気に読んじゃいました!!
8巻完結なのですが、もう次が気になって気になって。

ヨリは40歳を目前にした図書館司書。様々なことに疲れ東京を離れて、故郷に戻ってきていた。
恋とか愛とか結婚とか女とか、いろいろなものに疲弊していた彼女は、地味で仕事のデキる近寄り難い女になっていた。
一人暮らしのアパートに女子力が高い妹が転がり込み、目の前にはヨリのことを学生時代から想い続けていたというイケメンドクターが現れて、彼女の生活は一変。 魅力的な彼はすでに結婚しているが関係を持ってしまったことで、不倫という大人の関係として割り切ることにした。ただ、ヨリは気持ちの拠り所がわからなくなってしまい、落ち着きたいという願望からはかけ離れ、心が休まらない日々を送ることになる。

ヨリに言いよってくる、真木という男は学生時代はデブで冴えない男だったのだが、大人になった彼はイケメンになっていて、ずっとその頃から自分のことを想ってくれていた・・・・なんてそんな夢の展開あるかー!と想いつつ、すごく夢中になって読んでしまいました。

ヨリは仕事でも評価されているし、一通りの恋も経験した大人の女であるのに、なぜか自分には自信が持てない。持てないというよりも、マイナス思考が先にきてしまい、自分の気持ちを解き放つことができないでいる。傷つきたくない、もう乱されたくない、その一心で将来を見据えて選択していこうとするのに、いつもそれが裏目に出てしまう。

なぜなんだろう。どうしてわたしには手に入らないのだろう。

前向きな自分、変わろうとしている自分、そのときどきで評価してくれる男性は現れるのに、幸せは手に入らない。そのもどかしさとともに、それぞれの事情がわかるだけに非常に苦しいお話でもありました。
誰もが別に不幸になろうとしているわけでもないし、人を傷つけようと想っているわけではない。なのに、幸せになればなろうとするほどそこから遠ざかっていく。

とても面白い本でしたし、舞台となっている中崎県というのは、長崎県のことだろうと思われ、随所に散りばめられた長崎弁がとても心にすっと入ってきて、余計に愛着が湧きました。数年前に他界した祖父母が住んでいた長崎。また行きたいなぁ。