東野圭吾著「マスカレード・イブ」を読みました。いつも本を貸してくれる、読書仲間のKちゃん。ありがとう!!

「マスカレードホテル」以前の物語ということで、のちに一緒に難事件を解決する刑事新田とフロントクラークの尚美はまだ出逢いません。

ただ、交互に出てくるそれぞれの物語には2人の仕事に対する熱意や性格が滲み出ていて、これを読むとまたマスカレードホテルが読みたくなってしまいます。

ただ、フロントクラークの尚美サイドのオハナシは、ホテルが舞台なので物騒な事件というよりは、ホテルで起こるアクシデントを尚美の持つ独特の勘と好奇心によって解決に導いていくという展開が主です。
ホテルの顔と言うべき存在であり、無理難題を言いつけられてもそれを嫌な顔ひとつせずさばいていく仕事。尚美は仕事に誇りを持っており、叩き込まれたホテルマンとしてあるべき姿を全うしようと最善を尽くす。

いっぽう新田は、アメリカ帰りのエリートで自宅も裕福、ただ両親の反対を押し切って刑事になったという男。ただ、勘が鋭く頭の回転が速いため、難事件を独特の感性で解決に導いていく。

2人がそれぞれの仕事に取り組んでいる話ののちに、ある殺人事件の捜査で微妙に2人が関わることになり、物語は終わります。
この微妙にというのがミソで、直接会っているわけではなく人を介し、場所も尚美がたまたま新人研修で出向いていた大阪のホテルとなっているために、のちに出逢ったときもこのことが話題になることはないのですが、すでに2人はこの時点で少なからずタッグを組んでいたというオシャレな演出がされていました。

ん〜やっぱり、またマスカレードホテルが読みたくなってしまったな〜。
さすが東野圭吾さん、これも一気に読んでしまいました。